岩本昌子

岩本昌子さん、フォトカジェー賞、おめでとうございます。
この猫の写真を見て、どうしても賞に選びたいと私は思いました。
その理由は、多くの猫の写真を見てきましたが、日常生活の中で、ここまで猫と作者の信頼感を感じさせる作品はありませんでした。背景は遠く青梅の山々を望み、眼下に生活をする、青梅の人々の家の屋根があります。何故か懐かしい白い花が猫の脇に咲いています。猫の目は優しく澄んで、じっと作者を見ています。
「哀愁」というタイトルが気になって、代表の奥村よしひろさんに。作者に電話してもらいました。やはり、過去に亡くなった愛猫だと分かりました。
作者と家族になった猫との歳月、物語が浮かんできます。
ゲスト審査員として、良い写真と巡り合えてよかったと思います。
【評:ゲスト審査員 山本東陽】

山本以文

こども、サングラス、似たような出立ち、共通するものが3つもあると、増幅し見るものに大きなインパクト与えます。大きく引き込まれるその傍らで、印象深いサングラスの視線は合っていない。観る者に混乱を敷き起こします。この作品がどのような状況で撮られたかは説明もないし分かりません。お知り合いと一緒に出掛けた時かもしれないし、偶然に街で出会った3人の少女に何かを感じシャッターを押したのかもしれない。でも、それはどちらでもいいと思います。おそらく数枚はシャッターを押されたでしょう。その中で、この1枚を選択したことに写真のセンスを感じます。付け加えるならば、作者の歩んで来た人生経験が「これで良いのだ!」と言っているようでこの作品に作者のポリシーを感じます。これからもセンスに磨きをかけて欲しと思います。 
 【評:奥村よしひろ】

青木文男

ヒナなのに鋭い目とくちばし。正面からの撮影にインパクトを感じます。オオタカは準絶滅危惧種だと言われている。巣の中には一羽だけに見えるが普段は数羽生まれるはずです。画面下の所にもヒナと思われる白い衣が見える。生きているのかそれとも。。生まれた時からすぐに生と死に向き合わなければならない厳しい環境がこの表情を作るのだろうか。無事に巣立ってくれることを祈る他ない。さて、高木の巣をこの様にドアップでどのようにして撮影出来たのだろうか? おそらく独自の秘密兵器があるに違いない。また、巣もどこにあるのか探さなければならない。チャンス到来まで通わなければならない。この1枚の為に熱意と執念を感じます。沢山の時間とエネルギーを注いだ作者に敬意を表します。
【評:奥村よしひろ】

黒岩貞二

猛暑で公園の主役である、子供達はいない。
作者は公園という舞台で、遊具達が主役だと感じ取った。
この感性は、写真を撮る人間にとって大事な、部分なのです。作者は遊具達の影が遊んで、鬼ごっこをしている様に見えたそうです。とまれ(ともあれ)ゲスト審査員の私は、黒岩貞二さんが、力を入れて様々な傾向の写真に挑戦している姿は素晴らしいと思います。実は、私が選んだ写真の中に貴殿の作品が2作品在りました。写真の基礎は、どこを!どの様に切り取るか!なぜ写すのか?と言う事です。もちろん写真が好きだから撮るんです。そのような意見もあるでしょう。黒岩さんは、考えて撮る人に見えます。今回の作品の着眼点は素晴らしい。時間と共に影の造形も変わるでしょう。ゲスト審査員の私(山本)は、子供のころに戻って、黒岩さんと鬼ごっこをしている気分になりました。
【評:ゲスト審査員 山本東陽】

野村忠文

赤い(朱)の衣装が眼の中で舞います。
鳥居と木の独楽、ピンクっぽい薄紫のウイッグが可愛いですねー。
コスプレ祭りは世界各地でやっていますが、この写真は日本ならでは、
稲荷神社、狐の、コスプレですね。被写体の若い女性が楽しんでいる姿は,屈託がなく微笑ましい。
子供のころ夜店で見た、懐かしいキツネのお面と、指のポーズは若々しいイメージが広がっています。一度見たら忘れないインパクトのある写真です。
印象に残る写真に仕上げた、野村忠文氏のカメラワークを評価して、ゲスト審査員賞・写真家・山本東陽と致しました。
野村氏の今後の活躍が楽しみです。
【評:ゲスト審査員 山本東陽】

久保亘


佐々木俊一


渡邊秀治


野瀬ひろみ


柳川拓哉


大西淳一


野瀬昭憲


浦野峰一


荒井忠吉


宮内旗絵


安斎尚久


中村忠雄


田島啓次


丹生義一


小林美恵子


青木一司


平山栄男


濱野明弘


石井誠彦


橋本耕作


濱野千恵子


水澤茂

ひとやすみ


光彩


盛夏幻想


湖面の彩


小さな命みつけたよ


集落の盆


網走港


Kへのオマージュ


Straight


Baliの天使

雨宮ゆき


坂本𨸗弘


伊藤みさお


アキラ早坂


山本東陽


奥村よしひろ


コロナ禍が長期化する中、写真撮影に行くのも困難な時期に応募して下さった皆様にまず心からお礼申し上げます。
今年の作品は素直に身近な所に目を向けた作品が多く、目立つ作品の間から「こちらを向いてよ」と言っているようでした。審査員もがらりと変わり、普段ならスルーされそうな作品に光が当てられ、コンテスト審査とはそもそも何かを、真剣に考えさせられた貴重な審査会でした。その甲斐あって、一歩進化した結果になったと思っています。フォトカジェー賞の「哀愁」はその代表作です。何気ないけれど何故か胸に止まります。後戻りできない半生への納得と口惜しさ、残りの時間との葛藤など誰もが重ね合わせることが出来る普遍的な想像力を引き立てます。
組写真ですが、3年連続同じ方が賞に輝きました。これは快挙で喜ばしい事ですが、多くの方の組写真応募への躊躇を感じます。勉強を重ね大胆に挑戦されることをお願い致します。
最後に一言。今年で青梅フォトカジェー展は終了します。10年前に新しい写真展を目指してスタートしました。それは従来の縦型ではなく横の繋がりを重視して、より自由に作品に向い合い街の中に飛び込むことでした。少しでもお役に立てたならば幸いです。有り難うございました。
【評:奥村よしひろ】